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readings

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『死すべき定め』

Gawande, Atul [2014] Being Mortal: Medicine and What Matters in the End, Metropolitan Books,=[2016]藤井宏明・訳『死すべき定め』みすず書房.

 四肢麻痺の進行は父の望みが絶たれることでもあった。二四時間の介護から人工呼吸器、そして鼻腔栄養チューブを意味していた。そんなふうにはお父さんはなりたくないのだろうね、と私は言った。
 「そうだ、ありえない」。父は言う。「そうなる前に死なせてくれ」
 これは私が生まれてから今までにしたことがある質問の中で、もっとも厳しいものだった。質問するとき私は身を震わせていた——何なのか自分でもよくわからないのだが、父や母の怒りやうつ、この質問をすることで二人をさらに落ち込ませるのではないか、と恐れていた。しかし、後から三人が感じたものは安堵だった。霧が晴れたように感じた。(211頁)

死すべき定め――死にゆく人に何ができるか

死すべき定め――死にゆく人に何ができるか

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